お互いさまで助け合う、ここが自分たちの最高の場所。



アレッシオ・サンナさん、松村道子さん

結婚をきっかけに、道子さんの故郷である中川村にやって来たアレッシオさん。「私たちって最高だよね」と言い合う二人は、自ら選んだ人生を全力で楽しんでいる。

 

 田園風景の中にぽつんと建つ赤い小屋。庭にあるテーブルでは、ピッツアを囲み、にぎやかな笑い声と楽器の音が響き渡っていた。この小屋の中で、一人忙しく生地をこね、ピッツァを焼き続けるのは、イタリア・サルディニア島出身のアレッシオ・サンナさん。今から16年前、はるばる中川村にやって来た。

 妻の道子さんは中川村出身。二人が出会ったのはミラノにあるレストランだった。そこはイタリアに留学していた道子さんのアパートの目の前にあり、アレッシオさんはスタッフとして働いていた。常連客とスタッフとして出会い、交際を開始するも、ほどなく道子さんが仕事の関係で帰国。1年半の間、手紙や電話で連絡を取り合う中で、アレッシオさんは覚悟を決めた。

「この人は僕にふさわしい妻になるんじゃないかと感じて、僕も賭けたんです。人ってそういうことがわかるんじゃないかな」

 日本のアニメが大好きで、日本文化に興味があったアレッシオさんは、日本に行くことを決意。道子さんの実家で同居を始め、日本語を猛勉強した。その甲斐あって村内の建設会社に就職でき、4人の子どもにも恵まれた。

「『日本はすごく安心して暮らせる』って言ってくれて、私もすごくうれしい。文化が違うので主人は今でもいろんなことでつまづきます。でも、そのたびに『こういう考えがあるから今つまづいたんだよ』と納得するまで説明するんです。逆に私が細かいことで悩んでいると、『何言ってるの』と弾き飛ばしてくれたり。そうか、もっと気楽に考えていいんだと思わせてくれます。苦労と思ったことはないですね。今も毎日楽しいですよ」と道子さんはすがすがしい笑顔を見せる。
 
このピッツァ小屋はアレッシオさんが4年かけて作り、8年前に完成した。「最初は家族のために焼いてましたが、口コミで広がって遊びに来る人が増えてきた。うれしいですね」とアレッシオさん。ピッツァを焼く頻度は気まぐれ。自分が焼くピッツァを村の人たちが食べて喜んでくれることで、遠く離れた故郷イタリアへの思いも満たされている。

 

 「イタリア人と日本人のメンタリティは噛み合わないところがあって、どうしても受け入れられない部分もたくさんある。でもそこでフォローしてくれる人たちが周りにいっぱいいます。中川の人には助けられてばかり。この村では、みんながお互いさまで助け合えているのをすごく感じます。だからこそ、私もこんなことができているんだろうな」<  ピッツァを手渡す時、「30万円いただきます」と冗談を飛ばす、陽気な声が響いた。「生きてると大変なこともあるけど、冗談を言わないとつまらない。日本人は笑顔も少なく、仕事のことばかり考えてる人が多い。少しは笑ったら、と思う。今日できなくても、明日だってあるじゃん」  

 ここを訪れる人たちは、アレッシオさんの明るさに元気をもらっている。 「これからも関わってくれる人を大事にしたい。私たちを大事にしてくれているようにね」  道子さんのこの言葉が、二人の中川村で生きていく証のように思えた。

Keywords:

This is our best place we help each other.

Alessio Sanna and Michiko Matsumura

Alessio came to Nakagawa-mura which is Michiko’s hometown because of their marriage. They say each other “We are the best” are enjoying their own life with full power.

   A red hut built in the rural scenery. People surround pizza on the table in the garden and lively laughter and instruments resound. A person who continues to knead dough and bake pizza busy alone in this hut is Alessio Sanna from Sardinia, Italy.  He came to Nakagawa-mura all the way 16 years ago from now.

   His wife Michiko is from Nakagawa Village. The place they met was restaurant in Milan. That was in front of an apartment who Michiko was studying in Italy, Alessio worked as a staff there.

   “I felt that this person would be a wife suitable for me, I also bet there. I think that human beings can understand that kind of thing”

   This pizza hut was made over four years by Alessio and completed eight years ago. “I baked it for my family for the initial period of time, but the number of people coming to see me increased while spreading via word of mouth.  I’m glad”, Alessio says.  The frequency of baking pizza depends on his mood. The villagers enjoy pizza baked by him, so that his feelings for his far-away hometown Italy are also satisfied.

   “There is a part of gap in the mentality of Italians and Japanese and there are plenty of places that we can’t accept at all. But there are lots of people around us follow and we are helped by them. We are helped all the time by people in Nakagawa. In this village I really feel that everyone can help each other. That’s why I can doing such a thing, too.

   When handing pizza, he makes a joke saying “Your total is 300,000 yen”.

   “There are serious things when we are alive, but it’s boring if we do not make a joke. Many Japanese people do not smile and they always think about just work. I think they should laugh a little. Even if it is not possible today, we have tomorrow.”

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中川村