美しい村新聞Vol.21[大蔵村]Ohkura



美しい村新聞とは、NPO法人「日本で最も美しい村」連合の村づくりの運動をお伝えする新聞です。NPOの季刊誌として年4回、春、夏、秋、冬に発行しています(2017年9月現在21号を発行)。美しい自然景観の重要性に気づき、そのローカルな場所で創造性を持って仕事と生活に取り組む人の姿を取材しています。
とは言え私たちの得意な仕事はデザイン。デザインの視点に偏りがちな紙面づくりとなります。村の政策づくりや戦略策定などを上手にお伝えする能力は持ち合わせていません。出来ることと言えば色とカタチでお見せすることに尽きるのです。

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特集:大蔵村
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山形県の北部、最上地方に位置する人口3,400人ほどの美しい村。村の南部は出羽三山の主峰、月山を仰ぎ、深い山々に守られるように存在する。1200年以上の歴史を持つ肘折温泉は、古くから湯治場として賑わい、月山への登山口として栄えてきた。風情あふれる旅館が軒を連ねる温泉街では、浴衣姿に下駄履きでゆきかう人々の姿が、どこか懐かしい時代へ迷い込んだかのような気分にさせてくれる。

「ひじおりの灯」プロジェクト/肘折温泉旅館「女将会」/カネヤマ商店 須藤和彦/「ひじおりの灯」 早坂隆一/メンズ農業(大蔵村農業後継者の会)/大蔵村 加藤正美 村長/大蔵村フォトエッセイ

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1200年以上の歴史を持つ「肘折温泉」
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出羽三山への登り口の一つ「肘折口」は、最も繁栄した江戸時代の中期、1日で約1,300人が月山へ向かったと言われ、この出羽三山参りの人々の宿泊が、肘折温泉の湯治のはじまりとされる。

江戸後期より続く湯治宿「若松屋 村井六助」の気さくなお人柄が魅力の若女将。昭和12 年頃に建った旧肘折郵便局は大正風の趣き。「とことんトマトを愛する大蔵村」イベントの際には村長みずからトマト星人になって盛り上げる。「若松屋 村井六助」の自慢は、約60年前に湧出した湯量豊富な個人源泉。

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季刊日本で最も美しい村 Vol.21 秋号
タブロイド判24ページ 定価450円(税込み)
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Keywords:
大蔵村 肘折温泉 ひじおりの灯

「今回は雨、降らなそうですね」肘折温泉郷へと向かう車内でぽつりとつぶやく。昨年から同行させていただいている本紙の取材地は今回の大蔵村で6ヵ所目。季刊誌ということで、それぞれの土地の四季の暮らし、風景を写真と文字でお伝えしている。

 違う場所、違う季節で取材しているにも関わらず毎回のお約束ごとがある。それは必ず取材地に足を踏み入れた時に遭遇する。冒頭の一言でお察しの通り「雨」である。大蔵村へ向かう車の外はお日さまが射し、今回は晴れの中での撮影かな、と考えたのも束の間、肘折温泉に到着後、宿へ荷物を置きに行く頃にはポツリポツリと雨が降り出していた。

 神社、寺院へお参りする際の雨は「清めの雨」「歓迎の雨」とも言われており、このことを知ってからは、取材の際の雨はその土地に歓迎していただいているのだろうと、普段は一瞥を投げる足元の水たまりの反射を眺めては取材のコンディションとは裏腹に嬉しく感じるのである。そして「肘折の灯」の、濡れた路に反射した柔らかな光を思い出しては、じんわりとあたたかい気持ちになるのだ。(撮影アシスタント 後藤秋生)

クルマ一台がぎりぎり通れるような小路沿いに、肩を寄せ合うように並ぶ「肘折温泉」。浴衣に下駄履きで、お土産屋をのぞいたり、外湯めぐりを楽しむ湯治客の姿。宿のロビーで年配のお客さん同士が、偶然の再会を喜ぶシーンに遭遇する。観光地としてでなく、人々の生活の一部として受け継がれてきた肘折の湯治文化は、現代にマッチした形でその姿を変えつつある。だけど、変わらないのは温泉宿の女将たちをはじめ、肘折を愛し、大蔵村を愛する人々の「こころ」。そのこころは肘折でこんこんと湧き上がる温泉のように、ホットであったかいものだった。

(執筆 髙橋秀子)

北海道の春は急加速するように緑が一斉に広がっていくようだ。赤井川村では春の農作業がそのスピードを追いかけるように進んでいる。 人口規模に括られることなく人の暮らしには生き甲斐が必要だから、人口が少ない地域では受け身のままだと辛く感じてしまうのではないかと思う。そう思うと自らが率先して楽しむこと、生きることを楽しむことは周囲に良い雰囲気をもたらしてくれる。それはたくさんの人に会って声を聞きながらピントを合わせるだけでも伝わってくる。(撮影 田村寛維)

道の駅「あかいがわ」でロードバイクの少年と話した。チームニセコに所属する高校生のO君は華奢な体型で顔立ちから脚から少女のよう。でもこんなルックスの子がめっぽう強いのがロードレース。「今日は独りで軽めにトレーニング100kmです」。ロードバイクは速いスピードで長い距離を走るので過酷ですが、走り終える頃にはなんでも許せそうな気持ちになります。(編集長 ジュリアーノナカニシ)

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