STUDIO PREPA



「素材に触る仕事がしたい」と、あてもなくアメリカへ旅に出る。気付けば20年余りガラスと向き合い、生活に自然と馴染むシンプルな作品をつくり続けてきた。
周囲を家に囲まれることなく、広々とした敷地に工房と住居を構える「STUDIOPREPA」。「来たときは周りは畑だったけど、最近は徐々に家が建つようになって。パンツ一丁で歩けなくなっちゃった」と笑顔で話す平勝久さんは、妻の瑞穂さんとともにガラス工房を営む。ガラスづくりは環境インパクトが大きいことから、エネルギーや騒音のことを考慮して、この地に拠点を移した。デザインから製作まで一貫して二人で行い、その息はまさにぴったり。ガラスの製作工程の途中で、役割を交代するのは珍しい技法というが、平さん夫婦にとっては、このやり方が最も能率的だという。

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〝自分たち発〞をモットーに、流行を追うのではなく、自分たちがつくりたいものを日々つくり込む。「特殊な職業に見られがちだけど、ガラスは生活にそこそこ入り込んでいると思うよ」と、徐に炉に火を入れた。村に暮らす中では、日々感じることも多いそうだ。海外で定期的に展示会を開催しているが、最近行ったサンフランシスコでは、〝ペットボトル販売禁止令〞に心を打たれた。「中川でもこんな取組みができるんじゃないかな。村長のひと声で、村の方向転換は可能な行政規模だと思います」日本では工芸品としての歴史が浅いガラスを身近に感じられる二人の工房。そこには環境配慮に徹底した真摯なものづくりの姿勢があった。

 

※環境インパクト/ガラスを溶かすには膨大なエネルギーを必要とするため、村内で一番大きなガスタンクを工房に設置。ガラスの素材はドイツから入れているが、「輸送による環境負荷も気になる」と勝久さん。しかし国産の素材には有害物質が多く含まれており、製造過程でそれらを排出する恐れがあるため、使用を控えているそうだ。

 

TEXT : ATSUMI NAKAZATO  PHOTO : KENTA SASAKI

 

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中川村