美しい村新聞Vol.26[長野県小川村]Ogawa



季刊日本で最も美しい村は季節ごとに年間4回の発行を重ねて今号で26号となりました。「日本で最も美しい村」に住む村民お一人おひとりの思いをお伝えしています。生まれ育った故郷への思いや、他の土地から移り住んでみての感想と、首長さんの考えをお伝えしています。

2005年に7つの町村からスタートした「日本で最も美しい村」の運動は、当時のいわゆる平成の大合併の時期で市町村合併が促進され、小さくても素晴らしい地域資源や美しい景観を持つ村、コミュニティの存続が難しくなって来た時期でした。そのことに警鐘を鳴らし、そして行動し、失ったら二度と取り戻せない日本の農村漁村の景観、生活文化を守りつつ、最も美しい村としての「自立」を目指す運動をはじめました。この運動は今年で13年を経ましたが、小さなコミュニティの集合体としての繋がりは世界連合のネットワークへと膨らんでいます。

市場原理の名のもとに、地球すべてをお金に替えてしまおうとする横暴な振る舞いに対して、美しい村を美しいままに次世代に引き継ぐため、叡智を持って行動すべき時と思います。そのためには小さな単位の集合体が、有効ではないでしょうか。美しさを持って対峙する。そのための戦略共有もこの美しい村運動の中核であり、私たちデザイナーや編集者がこの運動に仕えることの理由でもあります。

さて今号でお伝えする小川村では近年、一定数で移住者が増えています。その理由をお訊きしたところ、何よりも「村民の方のやさしさ」そして「美しい自然環境」の二点を言われました。この二つが現代社会には不足しているとも言え、お話を聞いている間に地方で暮らすという選択肢が、とても生き生きと輝きを持って迫ってきたところです。
また、小川村は「おやき」発祥の村とのこと。この小川村の「おやき」は、具材となる野菜や果物から全てが手づくりで小川村内でつくれらています。女性たちの手の中で伸ばされた真っ白いおやきの皮に、山盛りの野沢菜が包まれ囲炉裡の上で温めらていく。見ているだけで満たせれる、愛情いっぱいのアツアツ「おやき」。具材は「野沢菜」「なすび」「卯の花」「あずき」「りんご」と他にもありますが全て小川村のもの。これが日本の地域資源であり、目指すべき経済モデルであるはずです。私は黙々とおやきを作ってくれる女性に心の中でお礼を言いました。

季刊日本で最も美しい村では、このような小さな経済活動をレポートすることで、同じ時代を生きるみなさんに「美しい村」運動への理解と共感の輪を広めていきたいと考えています。

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特集:長野県小川村
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本州の重心、「へそ」とも呼ばれる信州小川村。
長野県の北部、長野市と白馬市の中間に位置する人口2,600人ほどの小川村は、「おやきの里」としても知られている。
小麦粉の皮にナスや野沢菜などを包んで焼いた信州の郷土食おやきは、
村の活性化、女性の就労と起業にもおおいに貢献する「立役者」でもある。

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季刊日本で最も美しい村 Vol.26 冬号
タブロイド判24ページ 定価450円(税込み)
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Keywords:
長野県小川村

発行人・編集長:ジュリアーノナカニシ 執筆:高橋秀子 撮影:田村寛維、後藤あきみ デザイン:EXAPIECO.com イラストレーション:中西美嘉 表紙料理造形:明光玲子 校閲:柴山悠子 英訳:細谷由依子 中西智華 印刷:(株)朝日プリンテック
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